火災保険は、損害保険の中の1つです。もともと損害保険は扱っている会社の社名をみると分かりますが、船で荷物を運ぶ際につけられたのが発端です。
17世紀にロンドンの下町にあった喫茶店のロイズで保険業者が集まり、情報を交換する中で海運貿易に関する情報を提供し、海上保険を引き受ける場所になったのがはじまりと言われています。
海外大手保険会社のロイズは、その後保険業を生業とし現在の形になっています。
現在加入できる火災保険は、いくつかの法律に基づいて構成されています。保険会社が勝手に思いついてやっているものではありません。
商法629条と630条に損害保険と支払いについての条項があります。
商法629条では一定の事故により発生した損害を補填するものだとしています。
商法630条では、金銭に見積もれる利益に限って補填するとしています。思い出のアルバムが燃えても思い出分はハラってもらえません。また、631条では保険のかけ過ぎ(超過保険)については、かけ過ぎた分については無効としています。これは、最初にも話した内容を法律で規定している部分です。
要約すると、保険会社は火災保険の契約できめた事故について発生した金銭的損害額を支払うものだということです。
もちろん、掛け金により全額でなく割合で保険がでることや自分で故意に事故を起こした場合は支払ってもらえないと法律で規定されています。
ちなみに、良くある質問として火災保険は損害を補償するもので利益ではないため、税金が差し引かれることはありません。
ただし、確定申告時などに説明の必要はあるため火事などの場合は消防署から「り災証明書」をもらう必要はあります。
火災保険の種類は実に多岐に渡ります。一般的に知られている火災保険の他に特約や新種保険といわれるものが合わさると付けた人も分からなくなるほど複雑なものにもなります。
そこで、通常利用することが多い一般的な火災保険を中心に紹介します。特約や新種保険などについてはその他の保険として解説します。
まず、一般住宅を対象としたものに
・住宅火災保険
・住宅総合保険
があります。
つづいて、お店や工場を対象としたものに
・普通火災保険
があり、お店の2階や裏側に住居部分があるときに利用できる
・店舗総合保険
があります。
個室数が1棟あたりに10室以上有るようなマンションやアパートなどでは
・団地保険
が利用できます。
団地保険は、通常の住宅保険などより格安でマンションなどの集合住宅ならではの悩みを保障する保険が多数含まれたもので非常に得です。賃貸契約の際には必ず入ることをお勧めします。
その他の火災保険の中では、専門性の高いものや保険の短所を補完するようなものについて紹介します。
・他の保険
ガラス専用の保険などもありますから、建物の家主や管理組合を行っているような人にも役立つ情報です。
下記は火災保険の早見表です。意外と色んな事故で保険の支払い対象になることがわかると思います。※△印は限度額や自己負担(免責金)額があります。
一般 |
工場 |
倉庫 |
|||||
火災 | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
落雷 | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
破裂・爆発 | ○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
風雹災 | △ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
|
多物の落下衝突 | ○ |
○ |
○ |
○ |
|||
騒じょう・労働争議 | ○ |
○ |
○ |
○ |
|||
盗難 | △ |
○ |
○ |
||||
水害 | △ |
○ |
○ |
||||
持ち出し家財 | △ |
△ |
△ |
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個人賠責 | △ |
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借家人賠責 | △ |